散歩道□■□■　「椅子のおじさん」僕はそう呼んでいます・・・

あるイベントで、意見交換の為に班分けになり、町で気になる事を表記することになりました。その時に役場の室越さんという方が、「椅子のおじさん」と書きました。話を聞いてみると、その人の自宅周辺で自転車のパンクなどを直しているおじさんがいて、そのおじさんが国納保育園のささくれ立った椅子を全部、そのほか色々なものをボランティアで直してくれている人の事という内容でした。

私も少し気になり、もし会う事が出来れば会ってみたいと伝え、今回やっと社会福祉協議会ロビーで社会福祉協議会の松尾さんと、役場の斉藤さんの同席の下、会う事が出来ました。

椅子のおじさんは宮田さんという方でした。

4、5年前、フルトネーズというバンドの佐々木さんという方と畑作業をしている時に、『宮田さん、保育園の椅子が傷んでいて直してくれる人を探している、という話があってね。やってみない？』と言われ、『良いよ』と答えたそうです。

その後3、4か月後、役場の室越さんと社会福祉協議会の松尾さんが2人で来て、そんな計画しているので、と・・・。そのまた2、3か月後に具体的な話をもって、2人が来たそうです、国納保育園に一緒に行ってみると、特に備品の傷みがひどかったそうです。

宮田さんも、『この様な話なら何人か募っているのだろうなと思っていたら、私1人だったんですよ。』と笑っていました。

『宮田さんがささくれ立っているような椅子を、全部1人で直してくれました。直す技術もさながら、保育園の先生や子どもたちに、物を大切にする大切さという事がすごくいい教育になり、また、良い意味での相乗効果になったと思います。そして子ども達が見るんですね。宮田さんが真ん中で子ども達を集めて先生たちに見てもらうと、一つ一つの動作にみんなウォーと言うんです。』・・・と、力強く話す、社会福祉協議会の松尾さん。

『私も、宮田さんが直している動画を見ましたが、応援してましたよね。何かみんな宮田さんの周りでフレー！フレー！宮田さん！みたいな。凄いです、超人気者みたいだなと思って。』・・・と、役場の斉藤さん。

『椅子はみんなが使う物だから園児といっしょに直したかった。あれは後にも先にも1回だけで、他の物は1人で誰もいないところで直したんです。園児が手を出したりするとケガをしたりして危ないでしょう。だから土曜日に作業するんですよ。』と宮田さん。

いずれにしろ、物を大切にすると言う事は良いことで、子どもだけでなく、大人こそ物を大切にすることを、見直す時期に来ているのではないでしょうか。

また、追加の取材で、宮田さんがみやしろ保育園で頼まれている作業があるという事で、現場の取材をさせて頂きました。

今回は、子ども達が遊ぶ小さな小屋で、脇から中に入ると危ないので、周りを網で囲うという作業でした。なかなか細部にまで、子ども達が触った時などケガをしない様に心がけての作業でした。

宮田さんの存在は、保育園の先生たちにとっては、『非常に助かっています。女性の職場の為、この様な大工的作業や分からないことが沢山あり、例えば食器棚を切って棚を作ってもらったり、業者などに頼めない事をやってもらっています。既製品はあるんですけど使っていて壊れたからちょっと食器棚を切って、と言っても業者ではやってくれないでしょう。それをちゃんと上に新しい板で綺麗にして頂いて、細かいところをやって頂いているので助かっています。』、また、もう一人の先生は、『よくね、棚が壊れた、引き出しが壊れたとかそういう細かな所を直して頂いているのでとても助かっています。』との事でした。

宮田さんのように、身をもって子どもたちに物の大切さを教えられる人はなかなか少ないと思います。このような事は私も含め、見習わなければいけないと思います。今回、「椅子のおじさん」と書いてくれた役場の室越さんに、新たな出会いを含め感謝いたします。有り難うございました。

この様な、心温まる出来事が有りましたら、話をお聞きしたいと思いますので、一報お待ちしております。