10.中近世の遺物1
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内耳土鍋と焙烙(ほうろく)
内耳鍋や焙烙はかまどやいろりに吊るして使用するため、内側に釣り手状の耳(3か所)がついています。時代によって形が変化しますが、室町時代(15世紀後半)のものは器高が高いのが特徴です。戦国時代(16世紀)になると、器高が浅くなります。戦国時代末期から江戸時代初期になると更に浅くなり焙烙になります。
擂鉢(すりばち)
擂鉢は現在のものと同じように穀物などをすり潰す際に用います。宮代町では、素焼きの在地産のものと瀬戸や常滑(愛知県)、志戸呂(静岡県)などで焼かれたものが出土しています。この時代貨幣経済が発達していたため、船などで運ばれてきた陶器を市(いち)等で購入して使用していたのではないかと考えられます。
カワラケ
カワラケは、儀式や祭祀の際使われることが多い素焼きの土器です。約束事などを誓う時、双方でカワラケに入れた酒を飲み最後に割ることで約束を違えないことを誓いました。この他にも出土したカワラケに炭が付着している場合も多いことから灯明皿にも使用されていたと推定されます。
瀬戸焼
室町時代(15世紀)の瀬戸焼を古瀬戸後期様式と呼びます。斜面地に須恵器窯のような窯を造り陶器を焼きました。地蔵院遺跡や中寺遺跡では、天目茶碗や縁柚小皿などが出土しています。戦国時代(16世紀)になると大窯と呼ばれる非常に大型の窯で焼くようになります。地蔵院遺跡や中寺遺跡では、天目茶碗や擂鉢、椀などが出土しています。その後、江戸時代になると連房式登窯が登場し大窯はなくなっていきます。
常滑焼
愛知県常滑町で焼かれた焼物で甕や壷などの形態があります。茶色で硬質な焼物で灰による自然釉が顕著です。地蔵院遺跡、中寺遺跡、伝承旗本服部氏陣屋跡などで出土しています。
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宮代町役場教育推進課文化財保護担当(郷土資料館)
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