02.旧石器・縄文時代の遺跡
- [初版公開日:]
- [更新日:]
- ID:2672
旧石器・縄文時代の宮代町
宮代町に人々の生活の状況が初めて確認できるのは約2万年前のことです。前原遺跡や金原遺跡などでナイフ形石器と呼ばれる槍の先に付けたと考えられる石器を加工した製作場が発見されています。その後、1万4千年前になると逆井遺跡や金原遺跡で細石器と呼ばれる柄にはめ込む石器を作り出した製作場も見つかっています。金原遺跡では尖頭器を製作した場所や焼けた石がまとまって出土する礫群も多数検出されています。旧石器時代、金原遺跡や前原遺跡付近に当時の遺跡が集中しています。
縄文時代早期前半撚糸文期(約8,000年前)になると前原遺跡で住居跡がまとまって発掘され、宮代町で初めて縄文ムラが形成されました。早期後半条痕文期(約7,000年前)では地蔵院遺跡で住居跡や野外で煮炊きを行った炉穴が多数発掘されています。この時期から前期(約5,000年前)にかけて、地球の温暖化現象により海の水位が上がり現在の宮代町の水田部はほとんど海であったようです。道仏北遺跡や地蔵院遺跡でこの頃の住居跡が確認されています。宮代町で最も遺跡が多い時期は縄文時代後期(約3,500年前)です。この頃、海岸線が春日部付近にあったと考えられており、そうした関係もあって遺跡が多いのかも知れませんね。
旧石器・縄文時代の遺跡
前原遺跡
前原遺跡は、町営前原グランド建設に伴う事前の発掘調査として昭和55年度から56年度にかけて実施されました。現在の前原中学校付近に所在する旧石器時代後期(約20,000年前)から縄文時代後期中葉(約3,500年前)にかけての遺跡です。第1号ブロックは旧石器時代の約20,000年の石器製作場と考えられ、確認できる宮代町で最古の人々の暮らしが明らかとなっています。その後、18,000年前にも槍の先等に付けられるナイフ形石器が製作された第2号ブロックが確認されています。縄文時代の始まる草創期、約12,000年前は、埼玉県東部地区唯一の微隆起線文土器と表裏縄文土器が出土しています。約8,000年前の縄文時代早期前半撚糸文期には6軒の住居跡からなる集落が営まれていました。住居跡は遺跡の南側縁辺に集中しています。なお、この時期の住居跡は、平成10年に春日部坊荒句遺跡でも7軒発掘されており、このあたりに当時の遺跡がまとまっていたことがうかがわれます。
逆井遺跡
金原遺跡
地蔵院遺跡
お問い合わせ
宮代町役場教育推進課文化財保護担当(郷土資料館)
電話: 0480-34-8882
ファックス: 0480-32-5601
電話番号のかけ間違いにご注意ください!