日本刺繍
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歴史
日本刺繍の歴史は飛鳥時代から奈良時代にかけて中国から仏教とともに伝わった繍仏に始まるといわれている。繍仏とは刺繍によって表された仏像のことで現存する刺繍の最も古い作品は奈良中宮寺に伝わる天寿国曼荼羅繍帳である。聖徳太子の冥福を祈って製作されたといわれるこの作品は当初は5m四方あったと考えられているが、現存するのは1mに満たないものである。室町時代になると仏教美術の枠から次第に解き放たれ、小袖や能装束に用いられるようになり、時代を映す斬新なデザインが生まれ、技巧も円熟した。
みやしろの日本刺繍
素材
釜糸
よりがかかっていない絹糸。クダに巻くときはひざの上で手のひらで転がして巻く。製作のたびに技法に合わせてよっていく。
道具
- ダイ
刺繍をする帯や半襟を張る。大きいものは2間もある。普通使っているのは3尺のダイ。ダイは移動可能であり、細かい作業なので明るい部屋で行う。
製品
被布
額
日本刺繍の製作工程(帯に刺繍する)
下絵を描く
作品の原寸大の下絵を鉛筆で描く。
型紙を彫る
下絵を渋紙でできた型紙に写し、ノミを使って彫る。20年前までは小さな丸い穴を彫るのは大変だったが、今は丸く切り抜くことができる道具が市販されてる。
下絵を写す
帯に下絵を写す。型紙を置き、刷毛で胡粉をはく。
仕掛け
ダイを組み立て、ウマにのせる。
刺繍
右のシノボウの割れ目に帯を通し、外側へ回し巻きつける。巻き終わると布が戻らないようにセンダケをシノボウの穴にさし固定する。
帯の耳の部分をダイの穴に通した木綿糸(たこ糸)でかがる。
配色を考えながら刺繍する。
ダイの適当なところにメウチをさして糸をかけ、等分した糸の一本を口にくわえ、もう一方を手でよる。
仕上げ
完成すると刺繍と帯をなじませるために湯のしやのりつけなどをする。帯を刺繍するには「お太鼓2日、前1日」といい、あまり手の込んでいないものであれば3日で完成する。
お問い合わせ
宮代町役場教育推進課文化財保護担当(郷土資料館)
電話: 0480-34-8882
ファックス: 0480-32-5601
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