桶
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歴史
木の器の歴史は縄文時代の刳物(くりもの)にさかのぼるが、桶のように底を別に作る容器の歴史をみると最初は曲げ物で奈良時代にはその存在が知られている。曲げ物とはヒノキや杉のへぎを円筒形に巻いて合わせ目を樺皮で縫って底をつけたものである。「おけ」とは「苧(麻)笥」のことで麻の繊維をより合わせ糸にしたものを入れた入れ物のことだった。室町時代になると、短冊形の板を円筒形に並べてガワとしてタガをしめた桶が多く使われるようになった。このころになると酒造業がさかんになり大きな桶が必要になり、従来の曲げ物では限界があった。江戸時代になるとたらいや風呂桶など桶は生活全般に広く用いられるようになった。
みやしろの桶作り
素材
- サワラ
桶はサワラ材が多く、材木屋で丸太で購入した。サワラは柾目だと吸水性がよく、ご飯を入れてもすえない。ただし、長期保存のショウユ桶、モロミ桶などは塩気が染み出さないように板目で作った。サワラの産地は特に木曽産がよかった。 - タガ
銅製のタガは金物屋で購入した。竹タガは竹が一霜かかってから、11月~1月ごろの、3年ものの真竹を近所の農家から買って、一年分を日陰に保管して使った。
道具
上から
- キワリ
丸太を半分に切ったあと、キワリに用いる。 - カンナ
桶の外側を削るソトカンナと内側を削るウチカンナがあった。製品に応じてさまざまな種類がある。 - カタ
製品ごとにガワの曲線とコバの角度を測るためのカタが必要になる。 - セン
ガワの整形に用いる。
製品と主たる用途
- コネハンダイ
うどん、そばなど粉のものをこねる。 - ツケハンダイ
上棟式にはこれに丸餅を入れたものを親戚が祝いとして持っていく。2個一組で用いる。
過去に作ったもの
ミズビシャク、ヒキビシャク、イドヅリ、ヒラハンダイ、カブセオハチ、ウマオケ、タガラ、タライ、フロオケ、ハンギリ、ミソダル、ショウユオケ
タライの製作工程
- キワリ
丸太を半分にした後、たらいの高さに切る。その後キワリを使って柾目になるようにキワリする。 - 木取り
ソトセンでガワの外側を整形後、内センで内側を整形する。 - 削る
カタでガワの曲線を見ながらショウジキダイを使ってコバを取る。 - コバを止める
コバにキリで穴をあけて竹のアイクギを手でさしていく。 - 接着
ガワをご飯を練ったのりでつなぎ合わせて仮輪で固定し、丸一日、外に干す。 - 整形
ウチマルダイに乗せて内側をウチカンナで削る。仮輪を外し、ソトマルダイに桶を通して立てかけてソトカンナで削る。 - 底板を作る
底板は板を合わせて作る。ブンマワシで桶の直径よりも少し大きめに円を描き、円に沿ってノコギリで切り、円形にする。アイクギで同士をつなげるときはコバを大切にして弧の板(ビンタ)からナカイタに向かって叩く。底板の周囲はキオロシといって少しこすってからはめる。 - 仕上げ
コグチを削ったら完成。
お問い合わせ
宮代町役場教育推進課文化財保護担当(郷土資料館)
電話: 0480-34-8882
ファックス: 0480-32-5601
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