令和7年度町政施政方針について
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町政運営にあたっての基本的な考え方「令和7年3月議会定例会」

はじめに
本定例会におきましては、令和7年度当初予算をはじめ、町政の重要案件をご審議いただくわけでございますが、開会にあたりまして、町政に関する所信の一端をご説明申し上げ、議員の皆様、町民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
昨年、円安等を追い風に上場企業が過去最高益を、7月には日経平均株価が史上最高値を更新し、これらを背景とした賃上げが行われるなど、国内需要にも回復が見られたことから、国は、長らく続いたコストカット型経済から脱却した「賃上げと投資が牽引する成長型経済」への足掛かりができたとして景気回復への自信をうかがわせております。
しかしながら、住民の皆さまの日々の生活に目を向けますと、ロシアによるウクライナ侵攻や中東における地政学的リスクなど世界情勢の不安定を背景とした資源や原材料の高騰により、あらゆるモノの値段が上昇しており、景気回復の果実が遍く行き渡っているとは言い難いのが現状です。加えて、昨年も日本各地で地震や風水害が相次ぎ、多くの方々が被災されました。能登半島地域においては、復興半ばの中の豪雨災害も重なり、地震から一年余りたった今なお多くの住民の方が避難を続けておられます。改めて、災害への備えの大切さと住民の皆さまの生命と財産をお守りするという基礎的自治体としての使命を改めて重く受け止めています。
こうした世界情勢や自然災害の発生を、宮代町の力で変えることはできませんが、だからこそ、住民の皆さまの暮らしに寄り添い、ご期待やご要望にしっかりとお応えしていくために、行財政基盤の強化が不可欠であると改めて認識いたしているところです。
このため令和7年度は、まず行政組織の改革に着手し、有事に対して迅速、かつ的確に対応できる体制とすべく、「くらし安全課」を設置いたします。併せて、予防から災害時の対応まで全庁一丸となって取り組むため、課長級職員に対して内閣府が主催する「防災スペシャリスト養成講座」の受講を命じました。また、確かな財政基盤を築くために、産業誘致をはじめとした、より一層の土地利用の推進を図るため、「未来のまち整備課」を設置します。併せて、これらの課の設置により、「地域支援課」「まちづくり建設課」は、それぞれ、地域住民の皆様の日々の暮らしに寄り添った対応に注力できる体制とします。

予算の概要
それでは、本定例会に提案している令和7年度当初予算案の概要を説明いたします。
令和7年度の予算編成に当たりましては、高齢化を背景とした医療、介護、福祉など社会保障費の増加とこれを支える生産年齢人口の減少による将来の財政基盤への影響に対応すべく、行財政改革を理念とした「持続可能なまちづくりの推進」を基本的な考え方として、「新たな行政需要に応えた住民サービスの向上」とこれを実現するための「組織体制の見直し」、「歳入確保と歳出改革」を方針に取り組んでまいりました。
まず、一般会計、特別会計、企業会計を合わせました総額は246億5,251万7,000円、令和6年度と比較して7億5,243万7,000円、率にして3.1%の増となっております。
一般会計につきましては、135億2,600万円、令和6年度と比較して5億4,800万円、率にして4.2%の増となっております。
国民健康保険、介護保険及び後期高齢者医療の各特別会計につきましては、総額74億7,348万3,000円、令和6年度と比較して4,111万1,000円、率にして0.6%の増でございます。
水道事業会計につきましては、19億9,241万8,000円、令和6年度と比較して1億5,031万9,000円、率にして8.2%の増でございます。
農業集落排水を含む下水道事業会計につきましては、16億6,061万6,000円、令和6年度と比較して1,300万7,000円、率にして0.8%の増となっております。
このうち、一般会計の歳入及び歳出の概要について申し上げます。
まず、歳入でございますが、予算総額の約3割を占める基幹財源である町税は、景気の拡大と賃金上昇による所得の回復が見込まれること、また令和6年度実施した定額減税が一部を残して終了となり、個人町民税が2億3,998万8,000円の増。新築家屋の増等により固定資産税が2,752万円の増、都市計画税が295万3,000円の増を見込むなど、町税全体では総額42億4,522万3,000円で、令和6年度と比較して2億9,801万8,000円、率にして7.6%の増となっております。
もう一つの主要財源である地方交付税は、地方財政対策を踏まえ、5,200万円増の26億4,000万円となっております。
地方譲与税及び各種交付金につきましては、国の令和7年度地方財政対策を踏まえたものとし、自動車重量譲与税を始めとした地方譲与税につきましては9,380万円、地方特例交付金につきましては、令和6年度に実施された定額減税分の補填がなくなり1億6,100万円減の3,200万円とした一方、地方消費税交付金につきましては、7,000万円増の7億6,000万円となっております。
次に、歳出の概要について申し上げます。
高齢化の進行や国を挙げて取り組んでいる子育て支援各種施策により、社会保障関連経費の増加が続いています。また、賃金や原材料費を始めとした物価の上昇も著しく、通常の業務遂行にかかる経費も高騰、加えて道路を始めとしたインフラ施設や建物公共施設の劣化に伴う改修、更新需要が増すなか、事務事業の効率化、各種経費の見直しなど節減に努めることで、窓口での書類記入の手間が最小限で手続きいただける、いわゆる「書かない窓口」の導入やLINEなどを活用したデジタルによる行政手続きの拡充や東武鉄道三駅周辺をはじめとした防犯カメラ設置、高齢者の皆様が安心して暮らせるよう生活を支える地域包括支援センターの増設、住民の皆様の日々の移動手段となる地域公共交通体系を再構築するためのニーズ調査など、時代の要請や住民の皆さまの安心安全、利便性の向上に努めてまいります。
また、子育て支援策といたしましては、令和6年4月に設置した「こども家庭センター」を拠点として、妊産婦の皆様と子ども、そしてご家庭が安心した生活を送ることができるよう、引き続きご家庭の状況に応じたきめ細やかな支援を行ってまいります。さらに、病児保育につきましては、対象年齢・利用日時及び受入可能な症状等を拡大し、子育て環境のさらなる充実を図ってまいります。
環境分野では、喫緊の課題である不適正空き家への対策を効果的に進めるための施策を空き家対策計画としてまとめ、また、令和6年度から収集業務を移管したごみ処理業務におきましては、減量化をさらに押し進めるべく、食品ロス対策に集中的に取り組むことといたしました。
教育分野では、町の未来を担うこどもたちの健やかな成長と学習環境の維持・向上を図るため、校舎外壁改修やトイレの洋式化、GIGAスクール第二期のタブレット端末の更新など、教育環境の維持向上に係る予算を確保しています。
職員人件費につきましては、人事院勧告に基づく給与改定や職員及び会計年度任用職員の適切な確保等に伴い、1億938万7,000円、率にして5.2%の増となっております。

主要な事業について
次に、第5次総合計画に掲げる4つの構想に連なる事業につきまして、令和7年度予算に計上いたしました主な実行計画事業についてご説明いたします。
はじめに、構想1「宮代らしさを価値として高めていく」でございます。
農地の集積化による農作業環境の向上を通して、農業生産性と農業の魅力向上を図るため、宮東中島地区で進めてまいりました圃場整備事業につきましては、令和7年度から工事に着手し、令和9年の完成を目指します。
新しい村魅力アップ事業では、同プランに掲げたコンセプト~ 本気で取り組む、気軽に楽しむ農体験フィールド~ に基づき、地産地消や気軽に楽しめる農業体験から地域の農業振興、就農支援に至るまで町内外の多様な人々が「農」を通じてつながることで地域農業の活性化につながるよう各施設の改修と機能向上について準備を進めてまいります。
東武動物公園駅西口わくわくロード事業では、これまでの市民の皆様とともに検討を重ねてまいりました成果を具現化した魅力ある景観整備に臨みます。
まちなかどこでもミュージアム事業では、引き続きアート情報の発信や芸術活動に対する支援と、これらの集大成となる文化芸術の祭典「みやしろ芸術祭」を開催し、住民相互の活動で町に彩りを添えていきます。
次に、構想2「コンパクトな町の強みを活かす」でございます。
高齢化の進行により移動手段に対する需要が増す一方、担い手の不足が心配されています。宮代型デマンド交通事業では、こうしたさまざまな課題に対応する、次代の地域公共交通体系の再構築に向けニーズ調査に着手します。
広域道路ネットワークの整備では、近隣市町へのアクセス向上につながる主要幹線である都市計画道路春日部久喜線の整備として、町道第12号線と合わせ町道第252号線の北春日部方面へ延伸を進めます。
都市計画道路万願寺橋通り線では、町道第75号線の交差点設計を行います。
東武動物公園駅東口にぎわいロード事業では、駅前広場の早期完成を目指し、用地確保を進めます。
和戸駅周辺及び姫宮駅西側のそれぞれの地区においては、引き続き地域の皆様とともに産業系土地利用について検討を進めてまいります。
次に、構想3「さまざまな活動や主体を生み出す」でございます。
地域の力となる地区コミュニティセンター事業では、センターの役割のひとつである、地域の困りごとを地域で解決する仕組みづくりにより、須賀小学校再整備に合わせたセンター開設の準備を進めます。
また、地域のみんなでこどもたちの居場所づくり事業では、こども食堂や学習支援など、地域の方々と交流しながら学びや体験ができる居場所づくりを、教育支援センターでは、一人ひとりの児童生徒に応じた支援を行うことで、子どもたちの心と身体を育んでまいります。
次に構想4「社会環境の変化に対応し行政運営を変化させ続ける」でございます。
大きな災害が発生すると、役場などからの支援に時間がかかる場合があります。被害をできるだけ少なくするためには、自分を守る「自助」と地域や身近にいる人同士が助け合う「共助」がとても重要となります。
みんなで備える防災力強化促進事業では、自主防災組織と消防団が中心となって実践的な防災訓練を実施し、いざという時に備えた地域の防災力の強化を図ってまいります。
また、こうした地域力は、普段の暮らしの中で醸成されるものでもあります。
高齢者困りごとサポート隊事業では、買い物や自転車修理など、高齢者の日常生活のちょっとした困りごとを地域内で助け合う活動が広がる地域共生社会の実現に向けた仕組みづくりを進めてまいります。
日工大サイエンスプロジェクトでは、町内全小中学校の子どもたちが、大学の施設や設備を使った専門的な体験を通して、科学に興味を持って自らの学びに生かせるよう取り組んでまいります。
最後に、小中学校適正配置事業における須賀小学校の再整備でございます。地域住民や教職員等、関係者の皆さまとの意見交換を経て策定した基本構想、そして基本計画を実施設計として表します。

おわりに
以上が町政運営にあたっての基本的な考え並びに新年度予算の概要でございますが、令和7年度は、昭和30年7月20日に百間村と須賀村の二村が合併してから70年目を迎えます。今日の宮代町が発展、繁栄してきたのは、先人たちのたゆまぬ努力の賜物であり、心から敬意を表し、感謝とお礼を申し上げるとともに町民、町議会の皆さまともに、記念式典や各事業を通じて連携を強めたいと思います。この節目の年に、改めて、子どもから高齢者まで、宮代町に住む一人ひとりが、その人らしく暮らせるよう「首都圏でいちばん人が輝く町」の実現に向けて尽くしてまいることをお約束いたします。
今後とも議員の皆様並びに町民の皆様の更なるご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げまして、令和7年度の施政方針とさせていただきます。
令和7年度当初予算案の記者発表について
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