宮代町まちづくり基本条例第27条に基づく検証
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1.はじめに
平成20年4月に施行された宮代町まちづくり基本条例(以下、「基本条例」という)は、平成18年から平成19年にかけて、公募市民、町議会議員、町職員の三者による議論を重ね、宮代町の自治の基本原則やまちづくりにおける三者のあり方、役割を整理した町の最高規範です。
この条例には、町長が4年を超えない期間ごとに条例の内容及び運用状況を検証することが定められています。前回の検証(令和元年11月)から4年を迎えるに当たり、この規定に基づく検証を行いましたので、その結果をお知らせします。

2.基本条例の内容及び運用状況の検証について
基本条例の第27条では、「条例の検証と見直し」が規定されています。これは、基本条例に規定された内容が理念だけでなく実施が伴っているか実態を把握し検証するものです。検証については、この条項とともに公表している条項の解説の中で、次のように示されていることから、これらの事項に基づき検証を実施しました。

第27条
町長は、この条例の施行後4年を超えない期間ごとに、条例の内容及び運用状況を検証しなければなりません。
2 町長は、前項による検証の結果、必要があると認められた場合は、条例の改正を議会に提案するものとします。
3 町長は、第1項の条例の検証及び第1項の検証による前項の条例の改正にあたっては、市民参加の手法を用いなければなりません。
≪まちづくり基本条例第27条の解説(抜粋)≫
- この条例は、自治の基本原則や市民、町議会、行政の基本的なあり方など、町の自治に関する基本的かつ普遍的な事項を整理したものですが、これらのすべてが永久に不変のものとは言い切れません。
- 条例の運用状況や社会環境、経済情勢等の変化を考慮して、必要があれば見直しを行う必要があります。

(1)基本条例の運用状況の検証について
市民、議会、行政の三者が、基本条例に位置付けられた役割(※)を行っているかどうかについて、次のとおり検証作業を行いました。
市民の役割の検証にあたっては、第5次総合計画において、市民による自治活動を推進する事業の進捗状況を確認しました。また、町議会の役割の検証については、町議会における開かれた議会や情報公開の取組を確認しました。行政の役割の検証については、市民参加条例や情報公開条例、財政健全化指標の公開などの取組について確認しました。
なお、三者の協力や積極的な情報発信、情報の共有などについては、市民参加の手法を用いて「宮代町まちづくり基本条例アンケート」を実施し、住民意識の確認を行っています。
※三者の役割:基本条例 第2章「自治の基本原則」、第3章「市民の権利と役割」、第4章「町議会の役割」、第6章「行政の役割と行政運営の基本的事項」を参照
『まちづくり基本条例』 (別ウインドウで開く)

(1)市民の役割について
市民の役割については、基本条例において、まちづくりへの参加や市民による自治活動の推進などを求めています。このことについては、第5次宮代町総合計画・前期実行計画(計画期間令和3年度~令和7年度)に、「西原自然の森活用事業(里山体験事業編・新たな福祉の拠点づくり編)」や「身近な場所で子育てサロン事業」、「地域のみんなでこどもたちの居場所づくり事業」、「進修館オープンカレッジ」、「おかえりなさい!地域デビュー事業」、「みやしろズームアッププロジェクト」などを位置付け、事業展開を図っています。これまでに、里山体験イベントへの協力や地域の見守り体制の充実、地域主体の子育て支援事業の実施、新たな地域活動への参画、地域の魅力発信など、市民を主体としたまちづくりが推進され、市民の役割が一層重要となってきています。
【主な状況】※令和4年度末
- 里山体験イベント新規ボランティアスタッフ 10名以上
- 地域の見守りサポーターの登録者 個人100名、団体20団体、事業所28店舗
- 子育てサロンの子育て応援隊登録者 個人21名、団体7団体
- 子どもの居場所づくり活動のモデル事業の実施 3か所
- 進修館オープンカレッジでの新たなグループ 3団体
- 地域活動を始めた人(縁じょい登録メンバー) 67名
- ズームアッププロジェクトの地域特派員 14名(動画配信50本、広報掲載記事45本)

(2)議会の役割について
議会の役割については、基本条例において、「市民に開かれた議会」、「情報の積極的な公開」などを求めています。これを受け、町議会では、議会及び議員の活動原則を定めた「宮代町議会基本条例」や「宮代町議会議員政治倫理条例」を議員立法で制定しています。
また、開かれた議会を目指し、市民と議会との対話の場として定期的に「議会懇談会」を開催しています。さらには、令和元年9月定例会から開始した一般質問の録画放送は、令和4年12月定例会から本会議すべてに拡大しました。
【主な状況】
- 議会懇談会 年2回開催(5月、11月)※令和2、3年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止
- 本会議の録画放送(令和4年12月定例会から)

(3)行政の役割について
行政の役割については、基本条例において、市民意見の聴取、市民参加の推進、個人情報の保護、情報の公開、財政状況の公開、まちづくりに関する計画の評価などを求めています。町では、「町長への手紙」や「市民参加計画の公表」、「審議会や委員会委員の公募」、「条例や計画案についてのパブリックコメント」、「各種フォーラムの実施」、「情報公開条例及び個人情報保護条例に基づく請求状況の公表」、「総合計画実行計画の進捗状況の公表」等を実施しています。
【主な状況】※令和4年度
- 町長への手紙 38件
- 市民参加計画の公表 3月
- 審議会や委員会委員の公募 38名(宮代町男女共同参画社会推進会議、宮代町都市計画審議会、宮代町立小中一貫教育推進委員会など)
- パブリックコメント 5件(宮代町地域防災計画(改訂)、宮代町一般廃棄物(ごみ)処理基本計画(改訂)、宮代町手話言語条例、新しい村魅力アッププラン、宮代町立地適正化計画)
- フォーラム なし
- 情報公開条例及び宮代町個人情報保護条例に基づく請求 67件
- 財政健全化指標の公表(8月)
- 第5次総合計画実行計画の進捗状況の公表(7月、12月)

(4)宮代町まちづくり基本条例アンケート結果概要について
市民、議会、行政の三者の協力や積極的な情報発信、情報の共有などについて、令和5年6月~7月の間に開催された町の審議会や実行委員会の委員と講座等への一般の参加者、施設利用者に調査票を配布し200人から回答をいただきました。
A.宮代町のまちづくりは、市民、議会、行政の三者が、それぞれの役割を自覚し必要に応じ協力して行っていると思いますか。

B.市民、議会、行政の三者は、積極的に情報を発信し、互いに共有していると思いますか。

調査結果
Aについては、三者が役割を自覚し協力を行っているかという質問に、「そう思う、どちらかとえいばそう思う」との回答が58.5%となり、「そう思わない、どちらかといえばそう思わない」との回答14.0%を44.5ポイント上回っています。また、Bについては、積極的に情報発信し互いに共有しているとの質問に、「そう思う、どちらかといえばそう思う」との回答が55.0%となり、「そう思わない、どちらかといえばそう思わない」との回答19.0%を36.0ポイント上回っています。
なお、Aの質問、Bの質問ともに約3割の方が「わからない」との回答となっています。
この調査結果から、市民、議会、行政の三者が協力し情報共有していると感じている方がそうでないと感じている方より高い割合であることが確認できたものの、わからないとの回答も多く、まちづくりを進めるにあたり、これまで以上に情報発信をしていく必要性があることが伺えます。

基本条例の運用状況の検証結果について
町では、令和3年3月に総合的なまちづくりの指針となる「第5次宮代町総合計画」を策定しました。この計画は、市民と行政が対話を繰り返し、アイデアをねりあげながら策定を進めてきたもので、10年後の町の未来像を「首都圏でいちばん人が輝く町」とし、これを実現するための4つの構想、13の方針、32の具体的なアクションプランである実行計画を定めています。そして、実行計画の多くは、町中のさまざまな主体が、それぞれの役割を担いながら、ともに力を合わせて目標を達成する内容になっています。
今回の検証は、こうした取組を行っている中で行われたものであり、上記(1)~(4)の検証から、市民については、まちづくりへの参加や市民による自治活動が進み、議会についても「市民に開かれた議会」、「情報の積極的な公開」の取組が進められています。また、行政についても、市民意見の聴取、市民参加の推進、個人情報の保護、情報の公開、財政状況の公開、まちづくりに関する計画の評価などが進められています。
よって、市民、議会、行政の三者が基本条例に示された役割を着実に進めていると言えますが、今後一層三者が協力してまちづくりを進めること、まちづくりの情報発信をしていく必要性があると考えています。

(2)検証結果や社会環境、経済情勢等の変化による条例の見直しの必要性について
運用状況の検証結果から市民、議会、行政の三者が基本条例に示された役割を着実に進めており、また、令和元年に行った前回の基本条例の検証以降、条例の基本的かつ普遍的な事項を変更しうる社会環境、及び経済情勢等の変化はありませんでした。

条例見直しの必要性について
運用状況の検証結果や社会環境・経済情勢等の特段の変化はないことから、現時点で基本条例を見直す必要は無いと判断しました。
お問い合わせ
宮代町役場企画財政課政策調整担当
電話: 0480-34-1111(代表)内線214(2階11番窓口)
ファックス: 0480-34-7820
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