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あしあと

    農地の荒廃対策(2015年5月6日)

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    農地の荒廃対策(2015年5月6日)

    拝啓。榎本町長様には、宮代町発展のために日夜御尽力の段さぞや大変なことと拝察申し上げます。
    平成26年第6回宮代町議会12月定例会での町長所信表明演説において、施政方針として「5本の柱」を掲げられ、本年度(平成27年度)の予算編成についても、この方針に基づいて貴重な財政のやりくりに懸命の努力をされていることが、宮代町広報の中から窺い知ることができますが、残念なことに、宮代町の貴重な自然財産である「農のある風景」に対する視点が欠落しているのではないかと思い、ここに私見を述べさせて頂くことにしました。
    前記の「5つの柱」の第5番目に「農業や商工業の支援」とありますが、実際には、前町長時代に引き続いて「農業の現況」についての視点は、兎もすれば忘れられ、あるいは「お座なり」になってきたのではないかという危惧を感じているのは私だけではないと思います。
    本年度予算の中でも、適切な対応策を見出せないままに敢えてこのことに触れることを避けられたように感じられて残念に思います。
    私は農業経験は全くない者ですが、環境NPO法人の一員として15年余に亘って宮代町の環境保全の一端を担う気持ちで活動してきました。
    この間継続的に言われてきた農業従事者の後継者不足と経済性悪化による農業からの撤退が相次ぎ、農地の荒廃が速度を増していることが気がかりでなりませんでしたので、特に関係の深かった東粂原地区に於ける景観の急変が、見るに堪えない状態になりつつある現況を訴えたいのです。
    26年産米の農協の買値が前年度半値近くにまで落込んでしまったことや、今年度にも回復の望みが持てなかったことによって、高齢に耐えて必死に米つくりをしていた人までも気力を失ってしまい、自家用のコメを栽培するに留まることとなってしまったのです。
    このことは、他町の人ながら、手広く代理耕作をしていた方が突如廃業してしまったことの連鎖反応だと思われますが、このことが、必死に耕作を続けようとしている他の農家にまで、精神的な大打撃を与えているのです。
    つい最近、この地域で水田を維持していた人が、別の田んぼで耕耘中に事故死したという状況があり、「明日は我が身」と恐々としてしている向きも少なくないように見受けます。
    中須用水の南側遊歩道から東武動物公園西口駐車場を見渡せるような田んぼがここに云う地域ですが、一度現地視察をしていただければ一目瞭然です。
    既に耕作放棄され「ヤナギやガマやアシの原野」となっている田が3面あり、今年はこれに上記の耕作不能地が大量に加わる見込みです。
    一時的にはトラクターだけを走らすことになる田もあるでしょうが、早晩、草原が半数を占めることとなることは目に見えるようです。
    私の知る限り、この地域で昨年と同じ面積の田を耕作している農家は数軒しかありません。
    他に(株)新しい村が代理耕作している田が2面、個人で小規模に代理耕作している田が3面ありますが、昨年まで相当量の代理耕作をしていた方(他町の人)が廃業してしまったので、この地域全体の景観を維持することが益々困難になったと思われます。
    この地域は、地権者の数が多かったことや、地盤が傾斜していて、地形も悪かったことが災いしてか、農地改良が中途半端な状態で終わってしまったと聞いていますが、これが逆に「農のある町づくり」の景観保持の大役を果たしてきた地域であり、東京から「田んぼの学校」に訪れる小学校5年生に「田舎の良さ」を満喫させ、教育的効果の一助をなしてきた場所でもあったのです。
    この地域の心ある農家の方々はこの現在の状況を心から憂え、頼れるところもなく万策尽きたという感を強くしており、公の手助けを待っている人が多いと聞きます。
    (株)新しい村の代理耕作の面積が現状より格段と増えるようでもあれば、もろ手を挙げて大歓迎することでしょうが、それも期待できそうもないようです。
    私は平成23年8月2日付けで、庄司前町長様宛てに「お手紙」を差し上げ、この地域の状況を訴え、この地域一帯の再開発として「可能なところからメガソーラー化する」案を提案しましたが、「そのようなことは考えていない」と一蹴されてしまった苦い経験があります。
    この地域は、その当時よりも更に憂うべき状況が進んでいることは明らかですので、一挙に「太陽光発電」ということは無理にしても、地権者の想いも汲んで何らかの対応策を考えて頂きたいと思い、ご理解を頂くべくお便りいたしました。
    東粂原地域のみならず、宮代町の他地域でも似たような状況は少なからずあると思いますが、緩急強弱を慮り、賢明な御判断を頂きたくお願い申し上げます。
    敬具 

    質問の回答

    農業を取り巻く環境は極めて厳しく、中でも農業従事者の高齢化に伴う離農や担い手不足等による農地の耕作放棄化や遊休化が大きな問題となっており、そのことが周辺耕作地の営農環境の悪化に拍車を掛けております。
    また、ご指摘のとおり、26年産の米価(いわゆるJA概算金)の大幅な下落によって、小規模・飯米農家のみならず、大規模農家ほど大幅な収入減少となるなど大きな打撃を受け、今後の農業経営の見通しが立てられない事態となっており、特に稲作農家にとってはこれまでにない深刻な事態にあると受け止めております。
    ご指摘の東粂原地内の状況でございますが、この地域では農業生産基盤整備(耕地整理や土地改良事業)が未実施であるため、水田形状が不整形であり、通作道がないなど、耕作条件に恵まれてはおりません。
    そのため、なかなか引き受け手がいないのが現状でございます。現在、当該地域の一部では、株式会社新しい村が水田を借り受けて米づくりを行っておりますが、現在の営農環境では今後も継続して耕作していけるかどうか見通せない状況にあります。
    こうしたことから、町では、農地を良好な耕作地として維持や保全していくための対策を講じているところです。
    具体的には、地域農業を支え得る生産者を担い手農業者として位置づけ、農地の利用集積や流動化の促進を図っております。
    また、農業後継者の育成や確保においては、農家生まれではない方を「宮代町農業担い手塾」において研修生として受け入れ、将来の担い手候補者として育成する事業を実施するとともに、遊休化する恐れのある農地を大規模に耕作できる町外の大規模専業農家や農業法人による宮代町内での農業参入を促進や支援しております。
    さらには、営農環境の改善を図るため生産者自身が小規模な農地基盤整備に取り組む場合への支援制度を設け、畦畔撤去や暗渠排水整備等の取組みを支援しています。
    耕作放棄地及び遊休農地対策としては、町農業委員会による遊休農地解消活動や町地域農業再生協議会による耕作放棄地再生利用事業を通じて、再生可能な農地に復元した後、地域の担い手農業者へ農地の橋渡しを行っているところです。
    このように、対策を講じているところでございますが、遊休化や耕作放棄化される農地の増加をはじめ、担い手農業者自身の後継者の確保の問題や大規模な生産基盤整備(圃場整備等)の問題など、課題も受け止めております。
    こうした課題に対して、町だけでなく、農業者や農協、農業委員会、県等の関係機関と協力して、解決に向けた努力を今後も引き続き行ってまいりたいと考えております。ご理解とご協力をよろしくお願いします。

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